WOTAで技術開発を担当する向原穂高さんに話を聞きました。本田技研工業株式会社でレース用の二輪車(バイク)のエンジン設計などに携わり、「失敗できないシビアなものづくり」を学んだと語る向原さん。WOTAの技術開発において大事にしているのは、常に「原理原則」に立ち戻る思考法だそうです。(聞き手:ライター松本友也)

< WOTA採用ページへ戻る

< WOTA採用ページへ戻る


社外秘_20231214_wota_0037.jpg

「原理原則」にこだわり、新技術の確立を目指す

──WOTAにおける向原さんの役割を教えてください。

WOTAの開発体制は、水問題の現場で使われる製品を作り上げる「商品開発」チームと、製品に組み込む前の要素技術を開発する「技術開発」チームに分かれています。私は後者の担当で、WOTAならではの独自技術を生み出し、磨き上げる役割を担っています。

目指すのは、既存製品の延長線上での性能アップではなく、根本的に新しい技術の開発です。たとえば水処理技術なら、「生物処理のスピードを20%上げたい」ではなく、「そもそも生物処理の必要性をなくすにはどうしたらいいんだろう?」というくらいの発想の転換が求められます。水問題の根本的な解決のためには、そのぐらい大胆な考え方が必要なのです。

──まだ世の中に存在しない技術を生み出すには、どのようなアプローチを取れば良いのでしょうか。

私が大事にしているのは、とにかく「原理原則」に立ち戻って考えることです。たとえば、より効率よく水に酸素を混ぜたい時にはどうすればよいか。まず考えるべきは「どんな道具を使うか」ではなく、「そもそも水のなかに酸素はどれだけ取り込めるのか」。中学校の理科で習うような自然法則の基本にまで遡ってから、具体的な方法を考える。製品に関係するあらゆる技術に対して、こうした再検討を行います。

──そうした技術開発によって、具体的にどのような成果が生まれているのでしょうか。

近いうちにリリース予定の住宅向けの製品がありますが、ここに組み込むコアとなるセンサーなどのデバイスを技術チームで開発しています。また現時点では限られた環境でしか実現できていませんし、実際に製品に組み込むまでにはまだいくつものハードルがありますが、今進めている技術開発が成功すれば製品サイズを3分の1程度にできたり、何十倍も速い処理速度を実現できる可能性も見えてきています。特許出願件数でいえば、月に4、5件程度のペースで新しい水処理技術が開発されています。